2017年9月18日月曜日

北のミサイル

 安倍内閣を支える日本会議等右翼の「歴史認識」は、「15年戦争は日本の侵略戦争ではなく、日露戦争に勝った日本をアメリカが警戒し、大東亜共栄圏構想に過剰に反応し、無理難題の経済制裁で戦争に引きずり込んだ」というものである。
 歴史の科学に堪えない戯言ではあるが、そのスピーカーが「北への圧力・制裁」と「軍事力」しか語らないのは、百歩譲って彼らのロジックに立つならば、「不当な制裁であっても北を戦争に引きずりだすべきだ」というのだろうか。支離滅裂とはこういうことを言うのだろう。
 白人至上主義を擁護したトランプにして見れば、日本はイラクやシリア同様の異邦人の国だから、安倍の言質をいいことに、何かのイレギュラーから戦争になる可能性がある。現代一番の危険性はここにある。

 さて、平成6年(1994)、クリントン米大統領が北朝鮮の核施設を空爆で先制攻撃する作戦を6月16日に決定したことがある。
 その折の米軍中枢のシミュレーションは、▲開戦90日で52千人の米軍が被害を受ける、▲韓国軍は49万人の死者を出す、▲在韓米軍と在日米軍の約8割が被害を受ける、▲米国人8万~10万人を含め民間人から100万人の死者が出る・・というものだった。
 この作戦は、訪朝したカーター元大統領に金日成が核凍結を約束したことや、金泳三韓国大統領が「やめてくれ!韓国軍は一兵たりとも動かさない」と直談判したことで中止された。
 
 上記のシュミレーションを現状に合わせて修正すれば、現代は開戦90日もせず、数日で終了するように私は思う。
 勝敗でいえば、アメリカが勝ち、北朝鮮は圧倒的庶民を含めて壊滅する。
 同時に北が瞬時に対抗したミサイルと核兵器、更にはサリン、VX等の化学兵器によって、韓国と日本もほとんど廃墟となり、原発由来の放射線被害でアフガンやシリアに比べることもできない「この世の終わり」が出現する。
 これは精神の強気、弱気の問題ではなく冷静な分析結果だろう。
 被害は1994年の比でもない。

 「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」という諺があるが、アメリカのパシリである安倍晋三は、軍事力をちらつかせて脅せば(自分のように)金正恩は手をあげると思っているが、かつての日本陸軍が「本土決戦」を撤回しなかったように、金正恩には屈服の余地はない。その選択は金正恩の死を意味する。もちろん北に持久戦の国力はないから、結局、やぶれかぶれの瞬時の対抗しかあり得ない。
 そしえ、金正恩は死ぬだろうがあなたも私も家族も知人も死ぬ可能性は低くない。

 アフガンのペシャワール会中村哲医師は、武器ではなく灌漑技術で、アメリカもロシアも実現できなかった「平和」を築きつつある。
 それは夢物語ではなく明々白々な現代の事実である。
 軍事力ではなく、内政不干渉の原則に立った外交、交渉に日本政府は踏み出すべきだろう。それが大人というものではないのか。

   蛇足ながら、右翼の論客?西尾幹二が週刊誌や月刊誌で「私は単純に安倍首相の人間性に呆れ、失望しただけです」と、首相を右側から痛烈に批判している。 
 「拉致のこの悲劇を徹底的に繰り返し利用してきた政治家は安倍晋三氏だった。(中略)主役がいい格好したいばかりに舞台にあがり、巧言令色、美辞麗句を並べ、俺がやってみせると言い、いいとこ取りをして自己宣伝し、拉致に政権維持の役割の一端を担わせ、しかし実際にはやらないし、やる気もない。政治家の虚言不実行がそれまで燃え上がっていた国民感情に水をかけ、やる気をなくさせ、運動をつぶしてしまった一例である」と。

 このように、安倍晋三が国民の利益など関係なく私利私欲で政権を利用しているのは、政治的立場を超えて常識になっている。
 北のミサイルを心の底から喜んで大笑いしているに違いない。
 なんとなれば、北が日本列島を目標にしたミサイルを配備したのはズーッと以前のことである。Jアラートを使って今大騒ぎしているのは米国を対象にしたミサイルである。
 また、ほんとうに日本にミサイルの危機が生じているなら、イの一番に原発を止めるべきである。
 結論は、北の危機を宣伝すれば政権支持率にプラスになるという政局判断だけだろう。
 9月28日国会冒頭解散、10月22日投開票との記事が報じられている。
 厳しい批判が必要だと思う。

    にょっきりと年年歳歳曼殊沙華

2 件のコメント:

  1.  今朝の朝刊で「首相 冒頭解散」の記事がありました。臨時国会は「森友学園、加計学園問題を集中審議」もあったはずで、明らかに自己保身のための解散だと思います。長谷やんのブログにもあるように「安倍首相の私利私欲の何らかの理由で、北朝鮮と心中させられるのはいやです。」都議選のような安倍批判が必要と思います。
     一昨日台風18号が来ているにもかかわらず、大阪の元の職場の友人4名が須崎に来てくれました。三十数年ぶりの再会でしたが、昨日も会ったような感じで大いに盛り上がりました。お陰で台風は須崎市の真上を通過しましたが、そよ風程度で済みました。

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  2.  安倍晋三にとっては金正恩さまさまだと思います。
     民進のごたごたなど困難はありますが、庶民の理性を信じて「返り討ち」にしてやりましょう。
     あの台風をそよ風にしてしまうバラやんに見習って元気を出していきましょう。
     このコメント欄でも結構ですから、思いのたけを発信していきましょう。
     バラやん、コメントありがとう。

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